2013年6月14日金曜日

芥川也寸志「赤穂浪士のテーマ」

 
 少し前に、NHKBSの「クラシック倶楽部」という番組で芥川也寸志の特集があった。
 
 冒頭に「赤穂浪士のテーマ」が演奏され、昭和39年に長谷川一夫主演で放送されたNHKの大河ドラマ「赤穂浪士」を懐かしく思い出しながら聴いていたが、途中で「あれっ、どこかで聴いたような音楽だな」と急に気になってきた。しばらくしてから「ああ、これはラヴェルのボレロではないか」と気がついた。

 「タッターッタ タラタラタン」という単純なリズムが少しづつメロディを変えながら刻まれて行き、最後のところで突然大きく転調して急停止する、という形はボレロとまさに瓜二つ。そういえばメロディもよく似ている。双子のようなたいへんよく似た作品、という気がして、もっと言えば、パクリに近いような印象を受けた。

 ちなみにネット上ではどう見られているのか。 

 調べてみると、ボレロとよく似ているという指摘がずいぶん多かった。それで以前からそういう風に見られていたことを知ったのだが、昔このドラマを見ていた時はもちろん、今になるまで全然そのことに気づかなかった。それがこの番組のお陰で自分としては50年近くも過ぎてから思わぬ発見ができたわけで、その日は一日中このことばかり面白がって過ごしてしまった。                                                                                          (20130506記)

0 件のコメント:

コメントを投稿