2014年7月15日火曜日
保育園の庭の声
わが家から50メートルほど離れたところに私立の保育園があって、毎日園庭でにぎやかに叫ぶ大勢の園児たちの声が聞こえてくる。時折、太鼓やスピーカーからの音などが加わると、それは音声の暴力に近いものになって、我慢しかねることもあるけれど、まあ大体は辛抱できる範囲に収まっていて、少子化の時代に元気な園児たちの様子が間近に窺えるのは結構なことだと言い聞かせている。
その園庭から時折、若い男の大きな声のあとに児童たちが声を揃えて一斉に「ありがとうございました!」と叫ぶのが聞こえることがある。よく聴いてみると、男がなにか号令のようなものを発し、それに合わせて児童たちがいっせいに応答しているのだ。
それは中学、高校の体育会系クラブなどで行われている掛け声と応答に似ていて、幼い園児に対し「右向け右」式の訓練をやっているようなのである。
その叫び声を耳にして、その昔、まだ幼稚園に通っていた時、このような指導を先生から受けただろうか?と思いながら、なんだか妙にいやな感じに襲われた。このいやな感じの中身はなになのか? これは多分、体育会風の集団的統制を未熟な児童に加えることへの嫌悪感である。そして、言われるがままにそれに従う児童への憐れみの感情である。
自分は自分の意思とは関わりなく一斉に「ありがとうございました!」と唱和させられるような目には会いたくないと思うので、まだ小学校にも行かない小さな児童が、こうして唱和させられているのを見ると、それはぜひやめてもらいたいと言いたくなる。しかし、それをこの若い男の先生と園長に告げるべきなのかどうか、「いらぬ御世話」と一蹴されればそれまでではないか、と思うと、足はなかなかそちらへ向かおうとしないのである。 (2014年7月15日記)
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