2013年10月19日土曜日
プルースト「失われた時を求めて」と高遠弘美訳
M. Proust「À la recherche du temps perdu」を読み続けて3年近くなる。
起床後の1~2時間、コーヒーを飲み終えると、電子辞書と井上究一郎訳を傍らに置いて数ページづつ読み続け、ついに最終巻「Le temps retrouvé」に入った。
プレイヤード新版による Quarto Gallimard本の2130ページからで、残すところ270ページ。
フランス語を独学で学び始めたのはもう50歳を過ぎていたから、一向に上達しないが、それでも、ほぼ毎朝本を開いて、ここまで続けて来られたことにわれながら驚いている。
邦訳は上記の井上訳以外にも多数あってこの作品の日本での評価の高さが伺える。鈴木道彦訳や保刈瑞穂訳(部分訳)、旧いところでは五来達訳(部分訳)、淀野・井上等訳などがあり、最近では、岩波文庫で吉川一義訳、光文社古典新訳文庫で高遠弘美訳が刊行中である。
これらの訳を拾い読みしてみた中で、高遠弘美氏の訳がプルーストの文章の持つ独特の味わいを最もよく日本語に移しているように思われて、刊行されるとすぐに買い求めている。まだ第3巻までしか出ていないが、予定されている全14巻の最後までつきあうつもりでいる。
高遠氏は現在パリでこのたいへんな長丁場の仕事に専念されているようだが、続巻を待ち望んでいる読者も多いと思うので、是非とも最終巻までやり遂げていただきたいと願っている。
(2013年10月19日記)
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